【独占ロングインタビュー】エリナ・レーヴェンソン ~永遠の異邦人~

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2019年の冬にパートナーでもあるベルトラン・マンディコ監督と一緒に来日したエリナ・レーヴェンソンのロングインタビュー。エリナ・レーヴェンソンといえばハル・ハートリー作品の常連であり、伝説的な『シンプルメン』(1990)のダンスシーンの振付をした人でもあります。

この時が初来日で、おそらく単独で取材に応じてくれたのはこの記事だけだと思うので、知られざる半生や30年に及ぶキャリアについて聞きまくっています。

1990年代のインディペンデントシーンの様子から『シンプルメン』主演女優交代の裏話、スピルバーグの『シンドラーのリスト』に出演した時に感じた搾取の話、親友エイドリアン・シェリーや無名時代のベネット・ミラーやダン・ファターマンとの交流など、あの夢見るような口調でなんでもあっけらかんと語ってくれるので、インタビュアーにとって夢みたいな時間でした。彼女の人柄とぶっちゃけトークのおかげで、山ほどやってきたインタビュー仕事の中でもトップクラスの充実感でした。

あと海外の映画人の取材記事を書く際に、女性の役割語を多用するのは避けたいと思っているのですが、彼女の独特の口調がどうしても無性的な語尾にそぐわない気がして、結局「よ」「だわ」「なの」で埋め尽くしてしまいました。これはもう90年代に彼女の声を字幕とセットで聴いていた世代の限界なのかも知れません。