
毎年8月15日が近づくと、ああ、観てない人はみんな岡本喜八監督の『日本のいちばん長い日』(1967年版、2015年の最映画化ではない)を観ればいい、なんなら何度観てるかわからないけど自分でも観直そうと思うわけですが、いま、新文芸坐でも岡本喜八特集(8月16日まで)がやっていて、4K修復版が上映されてます。おっそろしく力のある映画なのでオススメです。
2016年に、岡本喜八フリークの庵野秀明が作った『シン・ゴジラ』との関連を入り口にした解説記事をシネマトゥデイに書きました。
日本が太平洋戦争で敗戦した1945年8月15日、昭和天皇の玉音放送がどれだけギリギリの緊迫した状況で実現したのかを追いかけた実録映画です。権力者が嫌いな岡本喜八は自分に向いた素材とは思ってなかったようですが(後に庶民目線で終戦を描いた『肉弾』を発表)、喜八タッチのテンポ感と橋本忍の重厚な脚本、そしてオールスターキャストの熱演がみごとに一体化して生まれた大傑作。終戦の日の暑さがとにかくジリジリと伝わってくる、暑苦しい映画の最高峰でもあるのではないか。
『日本のいちばん長い日』
1967年/日本/東京
監督:岡本喜八 脚本:橋本忍
出演:三船敏郎、笠智衆、黒沢年雄、高橋悦史
