【劇場パンフレット】ディストピアを生きるラブストーリー『わたしは生きていける』 / murayama akira

世間的にはかなり過小評価されていると思うイギリス出身の名監督ケヴィン・マクドナルド。どんなジャンルも職人的に仕上げる印象はありますが、ソリッドな中に強固な作家性も見える人だと思っています。

このマクドナルドが珍しくティーン向け小説を映画化したのが『わたしは生きていける』。劇場パンフレットにケヴィン・マクドナルドを軸にしたレビューを書いています。

主演はシアーシャ・ローナンと『はじまりへの旅』『1917』のジョージ・マッケイ。ディストピアSF的な物語ですが、原作にある超能力要素はほとんど見えないくらいに後景化して、ティーンエイジャーの切実なサバイバルのお話になっている。イギリスの田舎の田園風景も印象的な、詩情あふれる美しい作品です。